ペンを持つ、そこから始めてみよう~秋の夜に、自分を見つめて整える“ジャーナリング”~
医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ
カウンセラー(公認心理師) 監修
(元氣プラザだより:2026年9月号)
日が短くなり、夜の時間が少しずつ長くなってきました。夏の忙しさが落ち着いて、ふと静かになった夜に、頭の中でいろんなことがぐるぐると回り始める。そんな夜はありませんか?
夏の活動的だったエネルギーも落ち着いてきて、疲れや不安がじんわりと浮かび上がってくることがあります。言葉にならないまま、ため込んできたものが秋の静けさの中でふっと顔を出してくる。
そんな秋の夜に試してほしいのが、「頭に浮かんできたことを書く」、ジャーナリングというセルフケアです。

書くと、なぜこころが軽くなるの?
不安やモヤモヤは、頭の中に置いておくと同じことをぐるぐると繰り返してしまいます。書くことは、自分の気持ちを整理する方法の一つとして知られています。思っていること、感じていることを書き出すことが、こころのセルフメンテナンスにつながるのです。メモを取る方法はいろいろありますが、手書きには気持ちと向き合いやすいという良さがあります。スマホのメモより、SNSや通知などの誘惑に気を取られにくく、自分の気持ちにじっくり向き合いやすいためです。
きれいな文章にしなくていい。誰かに見せるものでもない。「イライラする」「なんか疲れた」、そのままの言葉で十分です。書いているうちに、自分の感情がはっきりしてくることがあります。
「これはイライラではなく、悲しさだったんだ」。
そんな気づきが、こころを少し楽にしてくれることがあります。
特別な道具も、決まった時間も必要ありません。まず5分から始めてみましょう。
まず、書く環境を整えてみよう
書く前に、ちょっとした準備をするだけで、書く時間がぐっと心地よくなります。
お気に入りのノートや、少しいいボールペンを用意してみましょう。道具にこだわることで、書く時間が楽しみに変わります。窓を少し開けて秋の空気を感じながら、温かい飲み物を一杯。ゆったりとしたBGMをかけるのもいいですね。「お茶を飲むついでに書く」くらいの気軽さが、長く続けるコツです。
秋の夜に試したい、3つの書き方
今の気持ちをそのまま吐き出す
浮かんだ言葉を、書き殴りでも箇条書きでもそのまま書き出す。うまくまとめようとしなくていいのです。書き出すうちに「自分はこんなことを感じていたんだ」と気づくことがあります。ネガティブな感情が出てきても、それは自分のこころの状態に気がつく大切なきっかけになることがあります。
「なぜ?」と一度だけ掘り下げる
書いたものを読み返して、「なぜそう感じたんだろう」と問いかけてみましょう。答えはすぐ出なくても大丈夫です。モヤモヤの要素を分解していくと、ストレスの源が見えてきます。気づけば、こころの地図が少しずつできていくようなイメージです。
書いた紙は、捨てても大丈夫
残したい気づきや言葉だけ手帳やスマホにメモし、それ以外は捨てても大丈夫です。書くことに慣れてきたら、今日よかったことをひとつだけ書き添えてみましょう。小さな幸せに目を向ける習慣が、こころのバランスを整えてくれます。
頭の中を書き出しても整理がつかない、気持ちの落ち込みが続くというときは、『こころの健康相談室』に声をかけてみてください。書くことで自分の気持ちに気づけることがあるように、話すことで見えてくることもあります。「うまく言葉にできなくても大丈夫」と思って、まずは一歩、扉を開けてみてください。専門のスタッフが、あなたに寄り添いながらお話を伺います。
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ご精読ありがとうございました!