サイト内キーワード検索

健康コラム

キービジュアル画像

静かに進行する「食道がん」に備えよう~4月は食道がんの啓発月間です~

医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ

統括所長 中村 哲也 監修

(元氣プラザだより:2026年4月号)


近年、テレビやニュースなどで、著名人が食道がんを公表したという話題を目にする機会が増え、病気への関心が高まっています。食道がんは初期には自覚症状が出にくく、気づいたときには進行していることも少なくありません。

毎年4月は「食道がん啓発月間」です。初期に症状が出にくい食道がんについて正しい理解を深め、予防や早期発見の大切さを広く伝える取り組みが行われています。この機会に、食道がんの特徴や症状、リスク、そして予防のポイントについて、分かりやすく解説します。

「食道」とは

食道は、のどから胃の間をつなぐ管状の臓器です。左右の肺、気管、心臓、大動脈、背骨や肋骨などに囲まれており、周囲にはたくさんの血管やリンパ節があります。飲食物を胃まで送り届ける役割があり、食道と胃の境目は胃からの逆流を防ぐ構造になっています。

食道がんとは

食道を輪切りにすると、内側から粘膜、粘膜下層、筋層、外膜に分かれています。食道がんは多くの場合、一番内側の粘膜の表面にできます。粘膜内にとどまるがんを早期食道がん、粘膜内から粘膜下層までのがんを食道表在がんと呼びます。それよりもさらに外側に広がると、気管や大動脈などへも転移します。また、がん細胞が食道の外側にある血管やリンパ管の流れに乗ってしまうと、周囲にある肺や肝臓などにもがんが広がっていきます。

2021年の全国がん罹患データによると、食道がんになる人は年間約26,000人で、2024年には約1万人の方が亡くなっています。女性よりも男性が多く、特に50代以降の男性で患者数が増え、70代後半がもっとも多くなります。
5年生存率(診断後5年生存する割合)でみると男性40.6%、女性45.9%となっており、がん全体の64.1%に比べて明らかに低いことがわかります。これは発見された時点で進行していることが多く、治療が難しいがんであるためです。
一方、進行度別でみると、初期の段階で治療を始めた場合の5年生存率は80%以上ですが、ほかの臓器に転移するほど進行している方の5年生存率は、10%程度になることがわかっています。つまり、進行してからでは治療が難しく生存率が大きく下がる一方で、初期の段階で発見できれば高い確率で命を守ることができるといえます。

食道がんの原因・リスク

食道がんの主な危険因子は、飲酒と喫煙です。飲酒により生成されるアセトアルデヒドは発がん性物質であり、遺伝的に代謝しにくい体質の人は食道がんのリスクが高まります。特に飲酒と喫煙の両方の習慣がある場合、食道がんの発症リスクが上昇します。また、食生活の乱れやビタミン欠乏も食道がんのリスク要因となるため、バランスの取れた食事と生活習慣の改善が重要です。
また、日本人には少ないとされてきた「食道腺がん」も近年は増加傾向にあり、逆流性食道炎との関連が指摘されています。

食道がんの症状

食道がんによく見られる症状は以下のようなものがあります。

胸の違和感
飲食物を飲み込んだとき、胸の奥の方がチクチクと痛む、熱いものを飲み込むとしみるなどの症状です。

胸のつかえ、体重減少
飲食物がつかえて飲み込みにくくなります(つかえ感)。進行すると水も飲み込みにくくなり、食事量が減って体重も減ります。

痛み、咳、声のかすれ
食道がんが肺や背骨などに広がると、胸の奥や背中に痛みが出てきます。また、気管に広がると咳が出て、のどの神経まで広がると声がかすれてきます。

これらの症状は、食道がんの初期ではなかなか気づくことができません。症状を自覚するようになるころには、すでに食道がんがかなり進行した状態になっています。

食道がんの検査と治療

食道がんが疑われた場合、いくつかの検査を行います。

このほか、食道以外の臓器にがんが広がっていないかを調べるために、CTやMRI、超音波検査を行うこともあります。

食道がんの治療には、内視鏡的切除、手術、抗がん剤治療、放射線治療があります。初期の食道がんであれば内視鏡的切除でがんを切除することができますが、ある程度進行すると、手術・抗がん剤治療・放射線治療などが必要になります。

※内視鏡的切除:上部消化管内視鏡検査を行いながら、異常な部分を切除する方法

食道がんの予防と早期発見

食道がんは、早期治療で80%の5年生存率が期待できますが、進行がんでは10%程度に低下します。まずはリスク要因を回避するために生活習慣を見直し、早期発見のためにも、定期的に人間ドックや健康診断(上部消化管内視鏡検査)を受けましょう。
また、2026年4月より人間ドックオプションとして内視鏡や画像検査では発見できない微小ながん細胞を尿検査で早期に発見できる「がんリスク検査(マイシグナル・スキャン)」を自宅で受けることが可能となりました。ご自身のがんリスクを知りたい方は、元氣プラザまでお気軽にご相談ください。

施設のご案内
住所
〒101-0051
東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
神保町三井ビルディング1階・2階
最寄駅
都営三田線・新宿線・東京メトロ半蔵門線
神保町駅A9出口 徒歩1分
東京メトロ東西線
竹橋駅3b出口 徒歩5分
Pマーク