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健康コラム

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元気な骨で歩む未来へ~骨粗しょう症を防ぐため、今から必要なこと

医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ

医師 小田原 隆 監修

(元氣プラザだより:2026年2月号)

年齢を重ねるとなりやすい病気の1つとして挙げられる「骨粗しょう症」。近年の政府の調査結果により、治療している人の実態が明らかになりました。今回は骨粗しょう症について深堀りしてみます。

骨粗しょう症とは

骨粗しょう症とは、骨代謝(吸収と形成)のバランスが崩れることにより骨の量が低下し、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。

骨は体の外から触るととても硬く感じられますが、内側(細胞レベル)では常に新陳代謝が行われています。骨を壊す「破骨細胞(はこつさいぼう)」が骨吸収を行い、骨をつくる「骨芽細胞(こつがさいぼう)」が骨形成を行います。これを「骨のリモデリング(再構築)」といいます。通常は骨吸収と骨形成が釣り合っており、その結果、骨の硬さ(骨量)が保たれています。しかし、何らかの原因によってそのバランスが崩れると、新しく作られる骨よりも吸収される骨の量が多くなり、骨の全体量が少なくなります。その結果、骨がもろくなって骨折しやすくなるというわけです。

骨粗しょう症の原因

骨粗しょう症の原因には加齢、栄養、生活習慣、遺伝的要因、他の病気やその治療の影響などがあります。(加齢、閉経、遺伝などの避けられない生理的要因が関与するため、生活習慣病に分類されてはきませんでしたが、近年では、脂質異常症などの生活習慣病と同様、予防・治療の可能な病気と考えられるようになっていることは後述します)。

人間の骨量は、女性15~18歳ごろ、男性は20歳前後に人生最大になります。その時期までは、骨にカルシウムが蓄積され、大きく硬く成長します。40歳半ばまで骨量はほぼキープされていますが、その後は加齢に伴い骨量は徐々に減少してきます。また、骨の材料は主にカルシウムとタンパク質(コラーゲン)ですが、カルシウムを腸から吸収するためにはビタミンDなども必要です。

骨粗しょう症は女性に多く、特に高齢になると発症リスクが高まる理由の一つが閉経です。女性ホルモンの「エストロゲン」は骨吸収を抑制する働きを担っていますが、閉経によりエストロゲンが激減することで大きな影響を受けます。

加齢とともに、ビタミンDの量(食事からの摂取だけでなく、日光に当たった皮膚でも生成される)が減ると、カルシウムの腸からの吸収量も低下します。さらに、骨は適度な負荷がかかるとカルシウムが効果的に取り込まれ丈夫になる性質を持つため、運動が不足しても骨粗しょう症の原因になります。

骨粗しょう症の症状

骨粗しょう症は、痛みなどの自覚症状がないまま進行します。たとえ無症状でも骨折しやすい状態になっているため、軽い転倒やくしゃみなど少しのきっかけで骨折し、そこで初めて骨粗しょう症だったと気づくということも少なくありません。
骨折しやすい部位は、手首、太ももの付け根(大腿骨)などです。また、背骨は圧迫骨折という形で潰れていき、1つずつ潰れていくことで、背中が丸まったり腰が曲がったりします。

骨折してしまった場合は、骨折箇所が痛み、動かすことができなくなります(ただし、背骨の圧迫骨折は、痛みを伴わずに徐々に進行し、いつのまにか身長が縮んだり背中が曲がっていることもあります)。歩くことも難しくなり、QOL(生活の質)を大きく低下させ、介護が必要となるケースもあります。骨粗しょう症による骨折は連鎖的に起こりやすく、その結果、QOLはさらに低下します。太ももの付け根(大腿骨)の骨折や背骨の急な圧迫骨折が起こると、寝たきりになるリスクが高まり、その後の死亡率も決して低いものではありません。

骨粗しょう症は“病気”なのに、治療されていない現実

骨粗しょう症は、世界の専門機関や日本のガイドラインでも、正式に「骨の病気」として定義されています。ところが、高血圧や糖尿病などと比べると病気としての認識は遅れてきました。この病気の原因や、QOL・生命予後へのリスクが認識されるようになったのは最近のことですし、治療の必要性や予防の知識がまだ十分には広まっていないように見えます。実際に日本では40歳以上で骨粗しょう症と考えられる人は約1,590万人もいるのに、そのうち治療を受けているのは約139万人しかいません。つまり、骨粗しょう症とみられる人の多くが、病気としてきちんと認識せず、治療も受けていないのが現状なのです(老化現象だから仕方ないと思っている人も、いまだにいるのかもしれません)。

骨粗しょう症にならないために

骨粗しょう症予防の第一は高い骨量を維持することです。
そのためには運動や栄養摂取が基本となります。栄養面では食事などで、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質を含む食品を摂取するように心がけましょう。過度なダイエットや偏食は避け、習慣的に運動を取り入れることも有効です。アルコールは控えめに、禁煙も大事です。その上で、転倒に気をつけ、身長の変化や腰や背中の痛みなどがある場合はかかりつけ医に相談しましょう。

そして何より、現在の骨密度について知っておくことも重要です。自身の骨密度や骨粗しょう症のリスクを知ることで、今からできることがあります。骨粗しょう症による骨折を防ぎ、より豊かな健康生活を送るためにも、40歳を過ぎたら骨密度測定を受けておくことをおすすめします。

当法人の人間ドックや期間限定の「スマイル健診」でも骨密度測定が可能です。お気軽にお尋ねください。

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