今年もアノ季節がやってきた!?花粉症について知っておきたいこと
医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ
医師 伊藤 秀幸 監修
(元氣プラザだより:2026年3月号)
目がかゆくなったり、くしゃみが止まらなくなったり――そんな症状がでると「またこの季節が来たか……」と身構えてしまう人も多いのではないでしょうか。
今回は、春や秋に症状が出やすくなる、「花粉症」についてお伝えしていきます。
花粉症とは何か?
植物が増えるために雄しべから雌しべへと飛んでいく、目に見えないほど小さな粉が花粉です。
花粉が目や鼻の粘膜から人の体内に入り、「異物」と判断されてアレルギー反応を起こした状態が「花粉症」です。これは「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれ、現在では国民の4人に1人が発症する国民病の一つとされています。
花粉症の症状は?
花粉が体内に入りアレルギー反応が起こると、連続するくしゃみや水のような鼻水、鼻づまり、目のかゆみや充血などの症状が現れます。加えて、のどの違和感やせき、皮膚のかゆみを伴うこともあります。症状が長引くと頭痛や倦怠感、集中力の低下、睡眠不足を招き、日常生活に大きな支障をきたします。原因となる花粉の種類や飛散量によって、症状の強さは異なります。
花粉症の種類は?
現在までに約60種類の花粉がアレルギーの元(アレルゲン)になることがわかっています。最も多いのはスギですが、ほかにも樹木ではシラカンバ、ハンノキ、オオバヤシャブシ、ケヤキ、コナラ、クヌギ、草ではイネ科のカモガヤ、オオアワガエリ、キク科のブタクサ、オオブタクサ、ヨモギ、アサ科のカナムグラなどによる花粉症があります。
花粉症の時期により原因が変わる?
植物の種類により、花粉が飛ぶ時期は変わります。

スギやヒノキの花粉は春、ブタクサやヨモギの花粉は秋に花粉が飛来することが多いため、その時期になると花粉症の症状が強く出るようになります。スギとブタクサなど2種類の花粉がアレルゲンになる方は、1年間のおよそ半分を花粉症に悩まされることになります。
「もしかしたら私も花粉症かも?」と感じた方は、早めに医療機関でアレルギー検査を受けましょう。花粉が飛び始める前からの治療で、症状を抑えられるかもしれません。
花粉への対策は?
特に花粉の多い時間帯は昼前後と夕方です。これは、日中に気温が上がって放出された花粉が都市部に飛来するため、そして昼前後に高く舞い上がった花粉が夕方から地上に落下してくるためと考えられています。特に以下ような日は花粉の量が多くなります。
1) 晴れて気温が高い
2) 空気が乾燥し風が強い
3) 雨が降った翌日
4) 気温が高い日が2〜3日続いた翌日
花粉への対策は大きく分けて2つあります。
1.花粉を避けて生活する
・顔にぴったり密着するマスクやメガネを使用する
・花粉の飛散の多い時間帯は外出しない
・テレワークなどで外出の機会を減らす
2.花粉を室内へと持ち込まない
・花粉が付着しにくく、露出の少ない服装で
(綿素材・化学繊維の服は比較的花粉が付着しにくいといわれています)
・帰宅後は手洗い、うがい、洗顔、洗髪などで花粉を落とす
・換気方法を工夫する
(早朝や夜など飛散量の少ない時間帯に、カーテンを閉めたまま換気 など)
・洗濯物や布団などは外干ししない
室内では空気清浄機を使うことも有効です。
また、花粉症になっていない方はできるだけ花粉を避けて(曝露を防ぐ)生活をすることで、発症を遅らせることも予防対策の一つです。

花粉症は治せるの?
花粉症は自然に治癒することは稀ですが、治療法はあります。毎年の症状を緩和する「対症療法」と、花粉症を根底から治す「根治療法」、また「手術」による治療もあります。
<対症療法>
花粉が飛来し始める少し前の時期から始める、点眼薬・点鼻薬などによる局所的な治療、内服薬による全身的な治療です。目の症状が強い、鼻の症状が強いなど、症状の現れ方によって使用するお薬は変わってきます。
また、2020年からは重症のスギ花粉症に対する「生物学的製剤」という新しいお薬による治療も可能になりました。このお薬は従来薬よりも強い治療効果を得られる可能性がありますが、価格が非常に高いなどいくつかの注意点もあります。
<根治療法>
アレルゲンの入った治療薬を、舌の下へと投与する方法(舌下免疫療法)と、皮下注射で投与する方法(皮下免疫療法)があります。いずれもアレルギー反応の改善を目標にした治療法ですが、3〜5年ほどの治療期間が必要です。
<手術療法>
花粉症が重症で、ほかの治療では効果が出にくい方に検討される治療法です。レーザー焼却術に代表される鼻粘膜変性手術、空気のとおりを良くする鼻腔形態改善手術、アレルギー反応を弱める後鼻神経切断術など、いろいろな外科的治療法があります。
いずれも花粉症の重症度や症状の現れ方などにより適応となるかどうかが変わりますので、専門医と相談しましょう。

花粉症かも、と感じたら早めの受診・検査を
たかが花粉症と思われがちですが、放置すると症状が強くなることもあります。また、仕事や家事の効率が低下したり、集中力に影響することも少なくありません。
少しでも気になる症状があれば、早めに専門医を受診してみましょう。また、アレルギー検査を受けることでアレルゲンを特定し対策していくこともおすすめです。
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参考
厚生労働省:的確な花粉症治療のために(第2版)
厚生労働省:花粉症対策 スギ花粉症について日常生活でできること
ご精読ありがとうございました!