不整脈とは
医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ
循環器内科医 久保 良一
(元氣プラザだより:2023年1月号)
不整脈とは、心臓の拍動のリズムが不規則であったり、極端に頻度が高かったり少なかったりする状態を言います。
心臓は刺激伝導系とよばれる電気の流れによって拍動が制御され、正常時には血液を一定のリズムで送り出しています。不整脈はその電気の流れや発生の異常によってもたらされます。
心臓の拍動頻度が極端に少ない場合(心拍数おおよそ50回/分以下)を徐脈、その逆に速くなる状態(おおよそ100回/分以上)を頻脈と呼びます。極端な徐脈や頻拍では、心臓が十分に血液を送り出すことができず、からだのはたらきを障害することがあります。
不整脈の種類
・心房細動
・心室頻拍・心室細動
・発作性上室性頻拍
・期外収縮
・洞性頻脈
・房室ブロック
・洞機能不全症候群
・その他の不整脈(QT延長症候群・ブルガダ症候群など)
不整脈の症状
一拍だけ早いタイミングで心臓が収縮する不整脈(期外収縮)では、脈がとぶ、一瞬だけドキッとする、胸が一瞬つまる感じがする、などの症状となります。
一方、一定の時間頻脈が続く不整脈(洞性頻脈、心房細動、発作性上室性頻拍、心拍数の遅い心室頻拍)では、ドキドキする、胸が苦しいなどの症状の頻度が高くなります。極端な徐脈(房室ブロック・洞機能不全症候群)によって、数秒以上心臓の拍出が途絶えると、脳への血流が低下することによって、気を失う、目の前が暗くなる、めまいといった症状が発生します。極端な頻脈(心拍数の早い心室頻拍・心室細動)でも心臓の空打ちによって同様の症状が発生することがあります。
危険な不整脈の原因と兆候は?
心臓突然死を引き起こす心室細動や心室頻拍は、心臓のポンプである心室に障害があって機能の低下している方に発生することが多いです。その原因として心筋梗塞が最も多く、本邦では拡張型心筋症、肥大型心筋症などの心筋症も多く認めます。
また、心臓の機能が正常であっても、QT延長症候群、ブルガダ症候群など、心臓の電気の特殊な異常も心室細動や心室頻拍の原因に挙げられています。これらの病気がある方はすでに医療機関に通っていて、定期的に心電図などの検査をうけていることが多いのですが、もしこれまでになかった動悸、息切れ、失神、めまいなどの症状が発生したらすぐに担当医に相談してください。かかりつけ医をお持ちでない場合には「循環器内科」を受診してください。
※本文章は一般社団法人日本循環器学会ホームページを参考に作成致しました。
ご精読ありがとうございました!